捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~

 母親が帰ってきて大はしゃぎの鳴を抱き上げた翠が眉間にしわを寄せて尋ねてくる。そんな顔もかわいい。

「鳴の言った通りのままだが。お前が出掛けている間に買い物をして、鳴が欲しがるだけ菓子を買った」

「さくさくのチョコおいしいの。ママにもあげる」

「……ありがとう」

 言いたいことは山ほどある、という顔だった。しかし鳴がここまで喜んでいるところで怒るわけにはいかないのだろう。寝る前に小言を言われるのは避けられそうにない。

「こんなに食べて、夜ご飯はどうするつもりなの」

「だからね、なるくんちょっとだけにした! ぜんぶいっこずつたべたの」

「そのせいで全部袋が開いた状態になってるってわけ……」

「あとで片付けておく」

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