捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「片付けまで私にやらせるつもりだったら、もう涼さんとは口をきかないつもりだったよ」

「それは困るな」

 三年、なにもしてやれなかった分、甘やかしてやりたい。しかしどうも鳴を甘やかすのは難しい。翠を甘やかす方がよっぽど簡単だ。

 床に落ちていた袋を拾い、テーブルに置く。少なくともこの状況を早くなんとかさせなければ、本当に無視されかねない。欲しがったのは鳴だというのに、理不尽な話である。

「きょうね、パパといっぱいあそんだ」

「そっか。あとでいっぱい聞かせてね」

「うん!」

 上機嫌な返事を聞いて翠も頬を緩めるのがわかった。その笑みをこちらに向けてくれないのはいかがなものか。あとで鳴にした分だけ翠を甘やかしておこうと心に決める。

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