捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「そう。で、パパもそうだったんだけど、急にお仕事が入っちゃったからお休みじゃなくなっちゃったわけ」

 芽衣子が消化しろと言うから取った休日。涼さんも日にちを合わせてくれたことから、三人で遠出でもしようと思っていたのに予定が狂ってしまった。

 急な仕事を受けた涼さんはぎょっとするほど不機嫌だった。会社で対応している人が無事であればいいが、とこっそり祈っておく。

「パパもママもおやすみだから、なるくんもほいくえんいかない?」

「その予定だったんだけどね……」

「パパ、かわいそう」

「ほんとにね」

「なるくんはうれしいの。ママとあそべるでしょ」

 がらがらと鳴が積み木を一気に崩した。ととと、と私の方へ駆けてきて、膝の上によじ登ってくる。

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