捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 どんな匂いだ、と照れ隠しに突っ込んだけれど、まさか鳴も似たようなことを言うとは思ってもいなかった。見た目だけでなく中身もよく似た親子は、発言もやはり近いようだ。

「ママはパパすき?」

「え? うん」

「なるくんはもっとすき?」

「うん、もちろん」

「パパにはないしょね」

 しー、と鳴が唇に指を押し当ててくる。ほとんどつつかれているのと変わらない。

 そんな仕草がかわいくて指を噛むふりをしてみる。鳴はきゃっきゃと声を上げて身をよじった。

「なんでなるくんすきなの?」

「食べちゃいたいくらいかわいいからだよ。ママの大事な息子だしね」

「どこすき?」

「んー、ほっぺがぷにぷになところと……」

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