捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 むにゅ、と柔らかすぎるほっぺを軽くつまんで指を動かしてみる。くすぐったそうに笑う鳴を抱き締めて、今度は指ではなく私自身の頬を擦り付けた。

「にこにこ笑うところと、ママを大好きって言ってくれるところと、髪の毛がふわふわなところと、あとは……」

「いっぱい!」

「だって鳴のこと、とーっても大好きだもの」

「なるくんもママすき」

「じゃあ、両想いだ」

「りょーおもー」

 私がしたように頬擦りされ、ふたりでたわむれる。

 かつてはこんな時間もふたりだけのものだった。でももしここに涼さんがいたら一緒に混ざってくることだろう。もっとも、あの人は私と鳴をつつくだけで大抵満足していたけれど。

「せっかくだし、今日はパパに内緒のことをたくさんしちゃおっか」

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