捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「んん」

「俺のどこが好きなのかも言ってもらおうか」

「んー……っ……」

 今日の涼さんはいつもより意地悪だ。私が抵抗するとすぐやめてくれるくせに、そうしてくれない。

 結局手をどけられてしまう。それでも唇を引き結んでいると、キスを落とされた。

「――ん、ん」

 舌が唇を割ろうとなぞってくる。これを許したらもう私は自分の口を閉ざせなくなるだろう。

「翠」

 焦らしているのは涼さんのはずなのに、私以上に焦れた声が名前を呼んでくる。

 ぐ、と両足の間に膝を入れられた。そして、鼻をつままれる。

(これじゃ、息が……)

「――っふぁ」

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