捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「指。長くてきれいだなって思う。手が大きいのもかっこいいな。だから涼さんと手を繋ぐのも好き。私と同じ指輪をしてるんだなっていつもどきどきしてるの、知ってた?」

「いや」

「足を組んで座ってるときも好き。ご飯を食べる仕草がきれいなのも。……あ、あとはネクタイを解くところ」

「ネクタイ?」

「どきどきする」

「……今、着けてくるか」

「えー?」

 一気に言ってしまうと恥ずかしさを突き抜けて楽しくなってくる。くすくす笑っていると、髪を撫でられた。

 顔を上げた私の目に映ったのは、ちょっとぎこちない微笑を浮かべた涼さん。照れているようだ。珍しくて、かわいいとさえ思ってしまう。

「もう言わなくていい」

「なんで。せっかくなんだから全部――」

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