捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
短編:内緒の時間
いつもと違い、家の中はしんと静まり返っていた。
それが寂しかったから、帰宅した涼さんを玄関で出迎えたときについ抱き締めてしまったのかもしれない。
「どうした?」
胸に顔を押し付けられても、ぐりぐり額を擦り付けられても、脇腹をくすぐってもまったく気にした様子のない涼さんが尋ねてくる。その声に気遣うような響きを感じたけれど、今はただこうしてくっついていたい。
「翠?」
すり、と右耳に大きな手が触れてくる。そのまま手のひらで頬を包み込まれ、親指の腹でふにふにとつつかれた。
それでも顔を押し付けたままでいると、今度は顎を持ち上げられる。
それが寂しかったから、帰宅した涼さんを玄関で出迎えたときについ抱き締めてしまったのかもしれない。
「どうした?」
胸に顔を押し付けられても、ぐりぐり額を擦り付けられても、脇腹をくすぐってもまったく気にした様子のない涼さんが尋ねてくる。その声に気遣うような響きを感じたけれど、今はただこうしてくっついていたい。
「翠?」
すり、と右耳に大きな手が触れてくる。そのまま手のひらで頬を包み込まれ、親指の腹でふにふにとつつかれた。
それでも顔を押し付けたままでいると、今度は顎を持ち上げられる。