捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
短編:酔うとだめな人
ベッドの中で涼さんに髪をいじられながら、ほっと息を吐く。

 私たちがもう一度やり直すことを決めてから、もうずいぶんと時間が経った。離れ離れだった三年間は何だったのだろうと思うくらい、今は幸せで落ち着いた日々を送っている。

 長い指が髪の毛先を巻き付けては解くのをぼんやりと見つめる。なにがそんなに楽しいかわからないけれど、涼さんはそれを何度も何度も繰り返していた。

 鳴も気に入ったことを延々と繰り返す子だから、血なのかもしれない。

「……ん?」

 ふわ、となにかいつもと違う香りが漂って涼さんを見る。

「今日遅かったけど、お酒飲んできた?」

「少しな」

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