捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 やっぱり、と心の中で呟く。煙にも似た香りはウイスキーだろう。酒の匂いがすると言えば不快なものをイメージするけれど、涼さんから微かに漂うそれは少しも不快ではなかった。香水かなにかと言われれば納得するぐらいに。

「飲むならお前とがいい。触りたくなったときにいるから」

 甘えるように言われて頬をついばまれる。

 いつもと同じようでいて違う涼さんの様子に、あ、と声を上げた。

(そういえば、前にもこんなことがあったっけ)

 髪だけでなく頬や耳に触れてくる手を軽く掴んでみる。ぴたりと動きを止めた涼さんが、私を不思議そうに見つめた。

「酔ってるでしょ」

「ん?」

「酔うとどうなるか知ってるんだからね」

「ん……?」

< 351 / 462 >

この作品をシェア

pagetop