捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「だから気にするんじゃないですか……」

「そうか?」

「……涼さんって、ときどき空気を読めないですよね」

 恨めしく思いながら文句を言っておく。涼さんは知った顔ばかりでリラックスできるだろう。でも私は結婚も事後報告、さらに言えば息子の存在まで最近まで黙っていたようなとんでもない嫁だ。ご両親からいい印象を持たれていないのは間違いない。

 ひいい、と逃げ出したくなる自分を必死で押しとどめているのは、ちょこんとお利口に座っている鳴のためだった。

「ママ、なるくんおそといきたい」

「もうちょっと我慢ね。おじいちゃんとおばあちゃんにご挨拶しなきゃ」

「でも、おそとでかこんっていうの」

「あとでママと一緒に見に行こう?」

「あとね、おさかなもいた」

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