捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「なにを食わせても喜ぶから驚いたな。今までなにを食って生きてきたのかと」
「だってあのとき、意味がわからないくらいおいしいものばっかり食べさせられたから」
そもそもコース料理なんて食べたことがなかった。前菜に出てきた小エビのカクテルはエビ味のお酒だと思って警戒したし、テリーヌもどうやって食べるのが正解かわからなかったくらいだ。さすがにフィンガーボウルの水を飲んでしまう、などという失態は犯さなかったけれど、なにもかもが初体験だったことは間違いない。
「なにが一番美味かった?」
「んー……最初の方は正直あんまり味を気にしてる余裕がなくて」
「その割にははしゃいでいたな」
「はしゃいでないよ。そんなことをしていい雰囲気の場所じゃなかったもの」
「だってあのとき、意味がわからないくらいおいしいものばっかり食べさせられたから」
そもそもコース料理なんて食べたことがなかった。前菜に出てきた小エビのカクテルはエビ味のお酒だと思って警戒したし、テリーヌもどうやって食べるのが正解かわからなかったくらいだ。さすがにフィンガーボウルの水を飲んでしまう、などという失態は犯さなかったけれど、なにもかもが初体験だったことは間違いない。
「なにが一番美味かった?」
「んー……最初の方は正直あんまり味を気にしてる余裕がなくて」
「その割にははしゃいでいたな」
「はしゃいでないよ。そんなことをしていい雰囲気の場所じゃなかったもの」