捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「……どうしてそんなことを言うの」

「さっちゃん、かわいいから。でもおれはかわいくないでしょ」

「かわいいよ。私から見ればふたりとも同じくらいかわいい」

 うれしいともありがとうとも言われず、胸に顔を押し付けられる。かつてはあんなに自分の思ったことを口にしていたのに、こういうところまで涼さんに似ないでほしい。

「鳴はこれからお兄ちゃんになるけど、お兄ちゃんだからってなんでも我慢しなくていいんだよ。ちゃんと全部聞くから、思ったことがあったら話してね」

「……うん」

「……今日は一緒に寝よっか」

 ぴく、と反応したのは鳴ではなく涼さんだった。

「涼さんもいいよね? みんなで寝ても」

「悪いとは言えないな」

「ほんとに?」

< 434 / 462 >

この作品をシェア

pagetop