捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 鳴に信じられないという顔で見られた涼さんが目を細める。

「どうして嘘を吐く必要があるんだ」

「だってパパはママと寝たいでしょ。ひとりで寝られないから」

「……翠に言われたのか?」

「うん。パパは寂しがり屋なんだって」

「翠」

「間違いじゃないと思うけど?」

 なぜ涼さんが一緒に寝たがるかなんて、本当のことを言うわけにはいかない。一番の理由は『そういうこと』をしたいからだ。ほかに挙げるとすれば、私にくっついて眠りたい、誰よりも遅く私に「おやすみ」を言って、誰よりも早く「おはよう」を言いたい、といったところだろうか。

 総括すれば『寂しがり屋』だろう、たぶん。

「今日はおれがママとふたりで寝てもいい?」

「明日、俺に返すなら譲ってやってもいい」

< 435 / 462 >

この作品をシェア

pagetop