捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「私は結婚反対。お金のことがあったとしても。……でも、最終的に決めるのは翠だからね。自分が一番納得いく道を選べばいいと思うよ」

「……うん」

 残っていた紅茶を飲み終えると、そこに目を擦りながら鳴が現れた。

「なるくん、おはようなの」

 とことこ近付いてきた鳴を抱き上げ、膝に乗せる。

「おはよう、鳴。お熱はもう大丈夫そうだね」

「ママいるもん」

 甘えたように言うと、鳴はぺったり私にくっついてくる。その背中を撫でると、うれしそうにくすくす笑う声が聞こえた。

「さて、鳴くんも起きたし洗濯機回してくる」

「あ、うん。ありがとう」

 芽衣子が部屋を出て行ったあともあやしていると、不意に鳴が顔を上げた。

「どうしたの?」

< 59 / 462 >

この作品をシェア

pagetop