捨てられママのはずが、愛し尽くされています～冷徹社長は極上パパ～

「お願いだから約束して。……鳴のことは捨てないって」

「お前のことも捨てたつもりはない」

　どの口が言うのかと言いかけて、首を横に振る。

「鳴を傷付けようとしたら、どんな手を使ってでも止めるから」

「……わかった」

　記載した婚姻届をふたりで提出する。書類の確認がこれから行われるといっても、ほぼこれで契約は完了だった。

　私はとうとう涼さんの妻になったのだ。

「どうせこうなるのなら、三年前にしておけばよかったな」

「そうしなかったのはあなたでしょ」

「それは……」

「でも、本当によかったの？　ご家族と顔合わせもしてないけど」

「別にいい。俺が選んだ妻に今更文句もないだろう」

「……だから三年前も結婚式に呼ばなかったの？」

「それはまた別の理由だな」