捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「芽衣子は会社を作ったばかりで忙しかったし、ほかに呼びたい友達もいなかったの」

「家族は?」

「どうして今になって昔の話をするの?」

 母親のことは話したくなかった。

 あの日、母は捨てられた私を散々なじった。涼さんが社長だと知っていた母は、贅沢するための『金づる』を私が捕まえられなかったことに対して激怒したのだ。

 親不孝者、役立たず、などなど思い出すだけでも苦い思いが込み上げる暴言を知っているのは、のちにその話をした芽衣子だけ。自分に非があるから捨てられ、母親からも見放されたのだと吐き出した私へ、それは間違っていると正気に戻してくれた。

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