甘い恋には程遠い

…弘高くん。私の事、そんな風に
思ってくれてたんや。

どうせ、大神はフンって鼻で笑って。
また失礼な事言うんやろなと思いながらも
なんや顔は綻んでた。

クラスでは誰とも話せへん大神が
普通に弘高くんと話してる姿が嬉しかった。

慧「分かりますよ。
だから俺は疲れるんです。
あいつ見てると。際限がない。
今でも十分、頑張ってるのに
もっと頑張ろうとするし
心無い言葉にも笑って、傷付いても笑って
じゃあ、お前はいつ泣くんだよって。
それに…そればかりか慰めてくれるんです。
生きていたってしょうがない人間だろうと
人を傷つけてばかりのクズだろうと
成瀬は褒めるし慰める。
…疲れます。近くで見てるの。
…あいつ…本当に大丈夫なのかなって。」

せっかく、綻んでたのに。
その言葉を聞いて…涙が流れた。
もちろんこれは嬉し涙。

あんたの優しさも際限ないよ、大神。
< 132 / 488 >

この作品をシェア

pagetop