甘い恋には程遠い

損か得かやなくて。
私がそうしたいから。

偽善者でもええ。疎まれてもええ。
私が起こした行動で誰かが
笑ってくれるなら。
もう涙を流す事がなくなるのなら
それでええ。

桃花「私はさ、別に得したくて
やってる訳やないよ。
困ってるのなら助けたい。
手差しのべられるなら差しのべたい。
私がそうしたいからやってる。」

慧「うん、分かってる。」

桃花「でもな、私は使いっ走りやない。
頼み事全部聞くロボットやない。
それは、違う。だから…ありがとう。
大神のさっきの言葉、嬉しかった。」

慧「…うん。」

先生から貰った飴玉を噛み砕くと
甘さが一気に身体中を駆け巡った。

桃花「よしっ!糖分補給完了!
大神、ちゃちゃっと終わらせるで!」

慧「うん。」

頷きながら笑顔を見せる大神を見て思った。

私のこの性格も悪いもんやないと。
ちょっとずつやけど
大神の笑顔を作れてると
ほんの少しだけ自惚れた。
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