甘い恋には程遠い

慧「何だよ、それ。」

桃花「廊下で手繋いでるあの子とあの子。
1ヶ月前まではギクシャクしてたな…とか。
ああ、あの2人。ようやく
付き合えてんや。…て、すれ違う度に
めちゃくちゃ嬉しい気持ちになんねん。」

アホみたいにポジティブな人間やから。

桃花「…皆が笑ってる。
私が行動を起こした結果…
皆が幸せそうな顔して笑ってる。
それって、めちゃくちゃ幸せやん。
それって、めちゃくちゃ
価値のある事や思うねん。」

慧「…何でだよ…?」

桃花「何が?」

慧「何で、それを成瀬は
幸せだと思えるんだよ?」

桃花「だって…泣き顔よりも
笑顔の方が見てて嬉しなるやん。
昨日まで泣いてたあの子が
今日笑ってたら嬉しいやん。
覚えてなくても。関係なくても…。
私は笑顔を見る度に
幸せな気持ちになんねん。」
< 299 / 488 >

この作品をシェア

pagetop