甘い恋には程遠い

桃花「ほんま、あんたは斜めからしか
物事が見られへんねやな。」

慧「え?」

桃花「直接会いに来ればいいって
言うけどさ、遠慮するやろ。
転校する時に開いた会にも
出席しいひん男を気軽に誘える訳ないやん。
おれへんくなったからって理由で
誘われるのは嫌って言うけど
それって、今でもあんたの事を
忘れてないって事やん。」

何で、大神は…大切を大切やと
思われへんねやろ。
皆、純粋に会いたいだけやって
何で、喜ばれへんねやろ。

桃花「毎日、どっかで
潰れるお店ってあるやん。
本日をもって閉店しますって貼り紙。
よう見かける。でも、私は
そのお店が今日なくなるからって
理由だけでは行こうとは思えへんよ。
1回しか行った事ないけど
あの店のおっちゃん、ええ笑顔やったな。
あー、あの店無くなんねや。悲しいな。
なくなる前に行こうって思えるお店しか
行けへんよ。あんたは、前の学校の
皆にとって、潰れたら悲しい店やねん。
最後になるかもしれへんけど
会いたいって思える人やねん。」
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