甘い恋には程遠い

桃花「すいません。
私が1番…泣いてしもて…。」

母「ううん。いいのよ。」

桃花「…いただきます。」

温かいお味噌汁が胸に染み込んでいく。

母「…本当にありがとう。
わざわざこんな所まで来てくれて。
息苦しいわよね。こんな家。」

否定したかったけど昨日…
あんな姿を見せたから…
否定する事が出来へんかった。

母「きっと成瀬さんのおかげよ。
慧は昔から…とても物静かな子だった。
あれが欲しいこれがしたい。
そんな事を一切言わない子だった。
サンタさんのプレゼントでさえ
何もない。って書くような子だったの。
だから、成長するにつれて…
言葉数が減っても私達は何も不思議に
思う事はなかった。昔から
物静かな子だから。思春期だから。
それでいいって思い込んでた。」

桃花「…。」
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