甘い恋には程遠い

母「驚いた。まさか、あの子が
あんな風に思ってただなんて。
私たちと話したかっただなんて。
思いもしなかった。…ダメね。
本当に。母親失格ね、私は。」

桃花「お母さんにこんな事言うのは
変やと思いますけど大神はええ奴ですよ。
興味ないとか言いながら…ほんまは
めちゃくちゃ心配症やし。
無口気取ってるけどほんまは
噺家か!いうくらい、よう喋るし。
優しいし。…めちゃくちゃ温かい心を
持ってます。さっきのプレゼントの話。
物静かやから。自分の意思がないから。
とかやなくて…ほんまに欲しいものが
なかったからやと思います。
だって、大神は…素直な人やから。
いつも自分の気持ちをちゃんと
曝け出す人やから。」

母「…本当に、ありがとう。
あの子のそばにいてくれて…。
いつもあの子を守ってくれて…。
きっと、あなたなら聞いてるわよね。
どうして慧があの学校に転校したか。
私たち、親がどんなに酷い親なのか。」

桃花「…はい。聞いてます。」
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