甘い恋には程遠い

あ、懐かしい。この感じ。
私が小学生の頃、クラスメイトに
教科書に落書きされてた頃。

お母さんに何て言おうか考えてたら
篤人くんがやってきて…
話、聞いてくれたな。

ブランコに乗りながら。
…いっぱい…泣いた。
お父さんとお母さんの前では
流せへん涙を流した時
篤人くんが言ってくれた。

桃花。辛い時に泣くのは
何にも悪い事やない。
泣いた分だけ、また桃花は
強くなれる。間違ってないと
桃花が思うなら。今の自分に
満足してるなら。お父さんと
お母さんに笑顔見せてあげな。
ここでは泣いてもええから。
いっぱい泣けばええから。
それでも辛い時は…家におりたくない時は
いつでも俺の家に遊び来てええで。

そう…言ってくれた、あの瞬間。
私は…篤人くんに恋をした。
叶えへん恋をした。
< 384 / 488 >

この作品をシェア

pagetop