甘い恋には程遠い

弘高「今の俺が何を言うても
信じて貰えへん事は分かってる。
気持ちとか。感情とか関係あれへん。
俺はあの子を抱きしめた。
それは事実や。…一恋を悲しませた。
それも事実や。せやから、一恋が
別れたいって言うなら受け入れる。
悲しませた俺に、弁解の余地はあれへん。
…でも、最後になるなら聞いて欲しい。」

弘高くんが一恋のそばに行くと
大神は私の隣へとやってきた。

弘高「一恋はな、自分で
思うよりも、魅力的な人やねん。
人に愛される子やねん。
この間、一恋が見た女の子の彼氏がな
街で一恋に道聞いてんて。それで
一恋の事、好きになって…あの子
フラれたらしいわ。一恋の事恨んでた。
もちろん、それは逆恨みやで。
一恋は何にも悪ない。」

初めて見たかもしれへん。
一恋がこんな風に泣く姿を。
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