甘い恋には程遠い

正直な事を言うと、大神の
お姉さんの事なんか調べへんかったら
良かったって思った。そしたら
詭弁でも自己満足の正義感でも
振りかざせたのに…。

知ってしもたから…大神の辛い気持ち。
もう…何にも言われへんねん。

桃花「一恋には関係ない話やから。
口出しせんといてや!」

一恋「あっそ。」

間違いなく一恋を怒らせた。

気まずい空気になってしもた。
もうここにはおられへん。
どこに向かうとも決めてなかったけど
教室を飛び出すとどこかから
戻ってきた大神とぶつかりそうになった。

一瞬だけ合った目をすぐに逸らして
私は…屋上へと向かった。
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