君だけが知っている君へ。
だけど、私は1つだけ彼のことを知っていた。

結美にも瞬にも、未だに言えないこと。

彼が水泳教室の観覧席で私たちの姿を見ていたことが1度だけあった。

たぶん制服だろう姿で、とても優しい笑顔で私たちのことを見ていた。

でもそれはほんと少しの間で。

彼はすぐに姿を消した。

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