君だけが知っている君へ。
見間違いかと思った。

だけど……

「久しぶりじゃん!何してんの?」

彼の方から話しかけてきてくれた。

「そっちこそ、何してるの?!」

何でここにいるの。

どうして突然、水泳教室に来なくなったの。

聞きたいことはたくさんあった。

「ジムに来たとこ。そっちは?」

「私はジムに通う手続きをしに来たところで……」

「高校生になるんだ?卒業おめでとう?」

この日は3月の下旬。

「手続き分からないの?教えよっか?」

そう言って受付のお姉さんと話し始める彼。

「こっちおいでよ。手続きできないよ?」

「あ、うん……」

彼のおかげでスムーズに手続きができた。
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