君だけが知っている君へ。
「夜遅いし、家まで送ってくれるの?」

なんて少しの期待を含めながら言ってみる。

「家知らないけど途中までならいいよ」

誘ってくれたから送ってくれるのかと思ってみたりしたのに……途中までなんだ。

「準備してくる」

それでも一緒に帰れることが嬉しくて。
悠樹のことが好きなんだと気づくのに時間はかからなかった。
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