君だけが知っている君へ。
「今から心桜ちゃんも仲間ね!」

10人くらい集まってる輪の中心で、結美が言った。

「おっけー」
「わかったー」
「了解!!」

みんなそれぞれが返事をしてくれて、
私の耳元で

「今から鬼ごっこするから一緒に逃げるよ!」

って結美が囁いてきた。

そこに少し遅れて

「結美、俺の事忘れてたでしょ」

「あー、ごめんごめん。鬼あんただっけ?」

「そうだよ!誰もいないと思ったらみんなして集まってるとか知らないし」

そう言って頬を膨らませて、同い年くらいの男の子が不貞腐れる。

「今からこの子も参加するから!」

「よろしく!君が今から鬼だから」

そう笑顔で言って彼が私の肩を叩くと、みんな一斉に逃げ始めた。

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