せめて夢の中では愛されたい
プロローグ
ありさの前に現れた不思議な少女
ありさは、今日も一人病室の窓から外を眺めていた。
窓の外からは、ありさと同い年位の女の子が楽しそうに話している姿が見える。
「いいな、私もあんな可愛い制服着たいな」
ありさは、私には無理だとわかっているけど、一度でいいから制服を着て学校に通ってみたいと思っていた。
今年17歳になったありさは、本当なら高校2年生になるのだが、幼い頃から重い病気の為に学校はおろか殆どお家で過ごした事もなかった。
どうして私なのと思うけど、そんな事考えたってどうにもならないのに、そう思うけどありさだって、年頃の女の子である。
制服を着て学校に通って、素敵なボーイフレンドが欲しいと願ってもおかしくない。
でも私には無理だからと、ありさは自分の病気が治らない事を理解していた。
お医者様が頑張ってくれているのはわかるけど、一向に良くなる兆しはなかった。
せめて素敵なボーイフレンドを作ってから、素敵なボーイフレンドに沢山愛されてから、死にたいなとありさは思ってしまう。
「現実では無理でも夢の中なら、私にだって素敵なボーイフレンド出来るよね」
そう呟くと、ありさは妄想を始める。妄想を始めて暫くすると「お姉ちゃんのお願い聞いてあげてもいいよ」と不思議な声がする。
ありさは、妄想から一気に現実へと意識を戻されてしまう。
ありさの目の前には、ありさより幼い感じの少女がいた。
「あなたは誰なの?いつの間に病室に入ったの?」
「私が誰か何てどうでもいいし、病室にはずっといたんだけど、お姉ちゃんが気付いてくれなかっただけだよ」
ずっと病室にいたって、いつからこの少女は自分の病室にいたのかと、もし少女の言う事が本当なら何故急に視えるようになったんだろうとありさは思う。
「私ずっと待ってたんだよ。あなたが幼い頃からずっと」
私が幼い頃って、どう見たって自分が幼い頃には生まれてすらいない様な年齢なのに、この少女は何を言っているんだろうと、ありさが悩んでいると少女が話し始める。
「お姉ちゃん、夢の世界に行きたいんだよね?」
ありさが、行けるなら行きたいと自分がいつも妄想している様な素敵な世界に、本当に行けるのなら行きたいと少女に話してしまう。
漫画やアニメの世界じゃないんだから、そんな事は無理だとわかっているけど、目の前の少女の不思議な雰囲気に、もしかしたらこの子なら連れて行ってくれるのではと、もし夢の世界に行けるのなら、素敵なボーイフレンドが欲しいとありさは願ってしまう。
「連れて行ってあげてもいいけど、夢の世界に行けるのはお姉ちゃんが眠っている間だけ、そして一つ絶対に守って欲しい事があるの」
眠っている間だけでも、素敵な世界に行けるのなら行きたいと、ありさは願う。
「守って欲しい事って何?」
少女が真剣な眼差しで、ありさに話していたので、ありさはとても大事な事だと思い少女に何を守ればいいの?と聞く。
「それは、現実世界と夢の世界の区別をしっかりとつけて、決して夢の世界で生きたいと願わない事だよ」
もし願ってしまえばお姉ちゃん.......だよ。
何故か.......の部分だけが上手く聞こえなかったけど、ありさは私はもう17何だから、夢と現実の区別位ちゃんとつくから、大丈夫だよと少女に答える。
「なら連れて行ってあげるよ」
少女は、夜になったらまた来るねと言うとありさの前から一度消えてしまった。
ありさは、私夢でも見ていたのかな?と思うけど、あの少女はさっきまでありさの前に確かに存在していた。
だから夜になれば、必ずありさの前に現れてありさを、夢の世界へと連れて行ってくれるとありさは少女の言葉を信じる事にした。
いつもなら、夕食まで特にやる事もないのでお昼寝をしているけど、今日は夜になったらあの少女が、素敵な夢の世界へと連れて行ってくれるので、ありさはお昼寝をしないで早く夜にならないかなと、気持ちだけが焦ってしまう。
いつもなら美味しくない病院食を残すけど、今日はちゃんと食べた方がいいよねと思い、しっかり全部食べたので、看護士さんからどうしたのありさちゃん?と言われてしまった。
病院の消灯は早いので、ありさは寝る準備をすると、ベッドに座りながら少女を待っていた。
消灯時間になって、部屋の電気が消えて暫くすると少女は約束通りありさの前に現れた。
「お姉ちゃん約束忘れてないよね?」
ありさが勿論忘れていないよと答えると少女は、なら夢の世界に連れて行ってあげるよと言ってありさの前まで来ると、お姉ちゃん絶対に約束破ったら駄目だよと、ありさに念を押すとありさに早く横になってと言うので、ありさは素直に横になるた静かに目を閉じる。
お姉ちゃん素敵な夢を見てねと少女が言うと、ありさはそのまま眠りについた。
やっと素敵なボーイフレンドが出来る。
やっと愛してもらえると、ありさは夢の世界へ希望を持って旅立って行った。
少女に約束を破ったらどうなるのかを、ちゃんと確認する事を忘れて。
ただ素敵な恋が出来ると、素敵なボーイフレンドに愛されると信じて。
少女は、眠るありさに約束絶対に守ってねと呟く。
そうしないとお姉ちゃんは.......だからねとありさを不安そうな瞳で見つめていた。
窓の外からは、ありさと同い年位の女の子が楽しそうに話している姿が見える。
「いいな、私もあんな可愛い制服着たいな」
ありさは、私には無理だとわかっているけど、一度でいいから制服を着て学校に通ってみたいと思っていた。
今年17歳になったありさは、本当なら高校2年生になるのだが、幼い頃から重い病気の為に学校はおろか殆どお家で過ごした事もなかった。
どうして私なのと思うけど、そんな事考えたってどうにもならないのに、そう思うけどありさだって、年頃の女の子である。
制服を着て学校に通って、素敵なボーイフレンドが欲しいと願ってもおかしくない。
でも私には無理だからと、ありさは自分の病気が治らない事を理解していた。
お医者様が頑張ってくれているのはわかるけど、一向に良くなる兆しはなかった。
せめて素敵なボーイフレンドを作ってから、素敵なボーイフレンドに沢山愛されてから、死にたいなとありさは思ってしまう。
「現実では無理でも夢の中なら、私にだって素敵なボーイフレンド出来るよね」
そう呟くと、ありさは妄想を始める。妄想を始めて暫くすると「お姉ちゃんのお願い聞いてあげてもいいよ」と不思議な声がする。
ありさは、妄想から一気に現実へと意識を戻されてしまう。
ありさの目の前には、ありさより幼い感じの少女がいた。
「あなたは誰なの?いつの間に病室に入ったの?」
「私が誰か何てどうでもいいし、病室にはずっといたんだけど、お姉ちゃんが気付いてくれなかっただけだよ」
ずっと病室にいたって、いつからこの少女は自分の病室にいたのかと、もし少女の言う事が本当なら何故急に視えるようになったんだろうとありさは思う。
「私ずっと待ってたんだよ。あなたが幼い頃からずっと」
私が幼い頃って、どう見たって自分が幼い頃には生まれてすらいない様な年齢なのに、この少女は何を言っているんだろうと、ありさが悩んでいると少女が話し始める。
「お姉ちゃん、夢の世界に行きたいんだよね?」
ありさが、行けるなら行きたいと自分がいつも妄想している様な素敵な世界に、本当に行けるのなら行きたいと少女に話してしまう。
漫画やアニメの世界じゃないんだから、そんな事は無理だとわかっているけど、目の前の少女の不思議な雰囲気に、もしかしたらこの子なら連れて行ってくれるのではと、もし夢の世界に行けるのなら、素敵なボーイフレンドが欲しいとありさは願ってしまう。
「連れて行ってあげてもいいけど、夢の世界に行けるのはお姉ちゃんが眠っている間だけ、そして一つ絶対に守って欲しい事があるの」
眠っている間だけでも、素敵な世界に行けるのなら行きたいと、ありさは願う。
「守って欲しい事って何?」
少女が真剣な眼差しで、ありさに話していたので、ありさはとても大事な事だと思い少女に何を守ればいいの?と聞く。
「それは、現実世界と夢の世界の区別をしっかりとつけて、決して夢の世界で生きたいと願わない事だよ」
もし願ってしまえばお姉ちゃん.......だよ。
何故か.......の部分だけが上手く聞こえなかったけど、ありさは私はもう17何だから、夢と現実の区別位ちゃんとつくから、大丈夫だよと少女に答える。
「なら連れて行ってあげるよ」
少女は、夜になったらまた来るねと言うとありさの前から一度消えてしまった。
ありさは、私夢でも見ていたのかな?と思うけど、あの少女はさっきまでありさの前に確かに存在していた。
だから夜になれば、必ずありさの前に現れてありさを、夢の世界へと連れて行ってくれるとありさは少女の言葉を信じる事にした。
いつもなら、夕食まで特にやる事もないのでお昼寝をしているけど、今日は夜になったらあの少女が、素敵な夢の世界へと連れて行ってくれるので、ありさはお昼寝をしないで早く夜にならないかなと、気持ちだけが焦ってしまう。
いつもなら美味しくない病院食を残すけど、今日はちゃんと食べた方がいいよねと思い、しっかり全部食べたので、看護士さんからどうしたのありさちゃん?と言われてしまった。
病院の消灯は早いので、ありさは寝る準備をすると、ベッドに座りながら少女を待っていた。
消灯時間になって、部屋の電気が消えて暫くすると少女は約束通りありさの前に現れた。
「お姉ちゃん約束忘れてないよね?」
ありさが勿論忘れていないよと答えると少女は、なら夢の世界に連れて行ってあげるよと言ってありさの前まで来ると、お姉ちゃん絶対に約束破ったら駄目だよと、ありさに念を押すとありさに早く横になってと言うので、ありさは素直に横になるた静かに目を閉じる。
お姉ちゃん素敵な夢を見てねと少女が言うと、ありさはそのまま眠りについた。
やっと素敵なボーイフレンドが出来る。
やっと愛してもらえると、ありさは夢の世界へ希望を持って旅立って行った。
少女に約束を破ったらどうなるのかを、ちゃんと確認する事を忘れて。
ただ素敵な恋が出来ると、素敵なボーイフレンドに愛されると信じて。
少女は、眠るありさに約束絶対に守ってねと呟く。
そうしないとお姉ちゃんは.......だからねとありさを不安そうな瞳で見つめていた。