ウルルであなたとシャンパンを
拡大されたプロフィールの真ん中あたりには性別の欄があって……そこにははっきりと男性と言う文字が表記されていた。
「あっ……」
証拠とも言える事実を突きつけられ、あんぐりと口を開けて見上げると、ルカさんはフッと小さく笑った。
それだけで、近寄りがたいほど整った顔がゆるんで、気さくな印象になる。
「日本では、ルカって女性の名前?」
「そうだと思います」
「英語圏では男の方が多くて……ルーカスを短くして、ルカって呼ばれてる」
あだ名みたいなものかな?
日本でも名前の一部とか、縮めて呼んだりするもんね。
納得はしたものの、ルーカスと表記して欲しかったと香耶は強く心の中で訴える。
「僕も、ヤマモトさん、男性か女性かわからなかったけど、近くにいたので、来たんだ。困っているんじゃないかと思って……」
そう言われて、白い肌にはほんのり赤みが差していることに気づく。
もしかして、あのメールを見て、急いで来てくれたの?
見ず知らずの、誰かもわからない私のために?
……本当に?
驚きの中に嬉しさが入り混じった気持ちの後には、訝しむような、探るような気持ちが生まれてしまう。
そんな思いが表情に出てしまっていたのだろうか、ルカさんは香耶を見て笑みを消し、表情を曇らせた。
「女性が良かった……ですか?」