ウルルであなたとシャンパンを
とりあえず、こういう時は熱いシャワーを浴びるに限る。
そうすれば、体も心もスッキリして、脳もシャキッとクリアになるのだ。
寝る前に来ていた服のほとんどは脱いでいたらしく、身に着けていたのは下着だけ。
海を飛び越えて違う国に来ても、身についた習慣というものは消えないらしい。
酔った時、自宅でいつもそうしていたように乱雑に脱ぎ散らかした洋服を見下ろし、自分の適当さ加減に苦笑しながら、残った下着をパッパと脱ぎ捨て、バスルームに入った数十秒後。
「……ひゃああああっ」
香耶は蘇った記憶の断片に素っ頓狂な悲鳴を上げて、熱いシャワーが降り注ぐバスタブの中に座りこんでいた。
「なんで……?」
シャワーを浴びると、ほぼ同時に浮かんできた場面はパラパラと降りかかってきた雨。
次の瞬間には、どアップになったルカの顔が視界のほとんどを占めていた。
そして……そのキレイな顔がゆっくりと近づいて……
「……なんで……キスしてんのよ……?」
前後の流れは浮かんでこないのに、その後の、ルカの唇の感触だけがしっかりと思い出されて……
香耶は混乱する頭を抱えて、ひとしきり悶えることになった。