【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 夕食の後の自由時間は、カードゲームやチェスを楽しんだり、読書や猥談だってありだ。
 私はいつも通りに部屋に戻って、シャワーを浴びてから二段ベッドの上に寝転んだ。
 ぼんやりとさっきのことを考える。

 婚約の話が案外ショックだったようだ。
 なんだか、スカスカする。モヤモヤ、なんだろうか。
 上手く整理が付かない想いが、胸の中に霧のように広がっている。
 それが何なのか、目を凝らしてみても分からなくて、掴もうとしてもつかめない。変な思いだ。
 
 焦る、のとは少し違う。
 羨ましい、のとも違う。
 なんだろう。

 一番近いのは、仲間外れ感だろうか。
 自分だけが一人だけ子供みたいに思えた。
 でも、それだけじゃ割り切れない何かは何だろう。


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