【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
9.宿営地にて 2
宿営地に戻れば、大喜びで迎えられた。新鮮な肉は、それだけでご馳走だ。
フェルゼンが呆れた顔で、私たちを見た。
「ベルン……、お前いい加減にしろよ」
三人いるのに、なぜだか迷わずに私を責める。当たってるけど。
「肉を持ってきて怒られるとは思わなかった」
ムッとして言い返す。
「だって、お前、魔法使ってないだろ?」
「剣は使いました!」
「僕も援護したから、怒らないでよ」
シュテルが間に入る。
「ベルンシュタイン先輩は私を助けてくれたんです!!」
「クラウト!」
クラウトが声を張り上げるから、私は慌ててシーっと合図する。黙っていろと言うわけだ。