【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「……おこられた」
「怒られたんですか?」
「宿営地の認識不足を正してくれたんだよ」
「そうなんですね。仲が良いですね」
「うん。仲は良いよ。でも、フェルゼンもシュテルも私にはすぐ怒る。私が弱いから心配なんだろう。もっと強くならないといけないと反省した」
力なく笑えば、クラウトが真剣なまなざしで私を見た。
「そんなことないです。ベルン先輩は強いですよ!」
拳を作って力説してくれる。
私はクラウトの頭を軽く叩いた。
「ありがとう」
「は、はひぃ!」
クラウトが変な声を出したから思わず笑えば、クラウトも照れたように笑った。
「さぁ、行こう。出立だ」
日の高いうちに森の中のモンスターを倒さなければいけない。夜になると不利になるからだ。
森の反対側は、アイスベルクの領地。王都を守り、領地を守る。私はそのためにここへ来た。