【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 僕は目を疑った。僕の幼馴染フェルゼンが、青い髪の少年を連れて歩いていたからだ。

 きっと、あの子はあの馬丁だ。

 僕は一瞬でそう思った。忘れられなかった、爽やかな風のような青い髪に、凛とした青い瞳。 

 ここに出てくるんだ。

 剣ができるんだと思うと、僕はワクワクした。そして、俄然試合にもやる気が出た。彼とやってみたい。そう思った。

 僕は順調に勝ち進み、準決勝まで勝ち残った。
 そして、準決勝の対戦相手は、青い髪の少年だった。
 防具のマスク越しにもあの青い目が見えた。

 でも、彼は僕に気が付かないようだった。瞳の色が変わらない。
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