【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 翌日は朝から胸が高鳴った。
 めったに言わない僕のわがまま。
 それを父上が聞き入れてくれたのだ。

 『三位の少年と話がしてみたい』そう言ったのだ。思った通り彼はフェルゼンと知り合いで、ひきこもり侯爵の息子だったらしい。

 なんだ、そんなこと、父は簡単に笑った。
 僕にすれば簡単なんかじゃないのに。

 椅子に座って彼を待つ。

 「入れ」

 臣下の朗々とした声が響き、重厚なドアが開かれた。

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