【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 そのことに気が付いて、ガーンとなったのは仕方がないだろう。
 まず、シュテルに完全に男だと思われていたことに、その時になって初めて気が付いたわけだ。(別に女としてみて欲しいわけじゃないけど! 性別を問われたことすらなかったから)

 それに加えて、父も母も兄さえも! 知っていたはずなのに止めなかったこと。
 合格通知貰って、盛大にお祝いしたからね。
 『お前が望むなら、私は全面的にバックアップしよう』とはお父様のお言葉。
 その後ろで、お兄様は満面の笑みで胸を叩いて見せた。

 どう考えてもおかしいよね? それ。

 お母様は、『あなたは自由にしたいことをしたらいいのよ』なんて、手を握って応援してくれたりするもんだから、たったの十三だった私は分別なく勢いで乗り込んだ。
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