【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
19.アイスベルクの春休み 3
家に戻れば、エルフェンバインお兄様とリーリエお姉様が帰ってきていた。
エルフェンバインお兄様は今年二十四歳。王都の騎士団の副団長をしているので、なかなか会うことはできない。
リーリエお姉様は十九歳で、今は王都のタウンハウスで社交シーズンを楽しんでいるはずだった。
久々に家族全員で夕食を楽しみ、その後は兄弟水入らずでチェスを楽しむ。昔からお姉様はチェスが得意で、私はなかなか勝つことができなかった。
「ベルン、女騎馬隊の方はどうだい?」
エルフェンお兄様が、リーリエお姉様とチェスを指しながら尋ねてくる。
「順調です。今日も訓練に行ってきました。明日はお兄様も一緒にどうですか?」
「そうだね、見に行こうか」
お兄様は柔らかく微笑んだ。