【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

「先のサラマンダーの討伐では、大変な功績を上げたそうじゃないか。もう将校並みの実力だと聞いたよ」
「誤解です。倒したのはシュテル王子です」
「殿下は金属性だろう? どうやって倒したんだ? 報告書を見たけれど、少し意味が分からなくてね」
「シュテル王子の水銀魔法の矢に、私の氷でシールドを張ったんです。サラマンダーの額に刺さってから、氷が融け中の水銀が熱で毒性を増し、敵を倒すことができました」
「……氷のシールドを魔法の矢に張る?」

 お兄様は復唱して、じっと私を見た。
 私は不思議に思ってお兄様を見返す。

「ベルンは何でも凍らせられるの?」
「さすがに炎は無理でした。お兄様だってそうでしょう?」

 エルフェンお兄様とリーリエお姉様も、私と同じ氷の魔法を持っている。お兄様は難しい顔をして、顎を擦った。
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