【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「マレーネたんメイドさん ラブラブハッピーウエディングぅぅぅ!」
仮面をかぶった黒い影が、気持ち悪い奇声を発する。
私は生理的に気持ち悪すぎて、思わず顎を回し蹴りした。同時に出現元の地下へ逃げられないように、地面に手をつき凍らせる。
「げぇ。短パンはいてるの? 卑怯! 卑劣!」
「余裕あるなコイツ!」
スカートの中から魔力を抑える暗器を取り出し、倒れ込んだ変態をマントごと地面に縫い付ける。
馬乗りになって仮面を外す。
騎士たちが土壁を打ち破って駆け付ける。
「な、こいつは……」
「大魔道士ザント……どの」
辺りはシーンと静まり返った。
まさかの内部犯。ザントは、この視察のための対策チームに入っていた魔道士だ。