【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
私は麗しいお姉様をエスコートして、デビュタントのダンスを眺めていた。
ちなみに、今日は騎士の格好ではなく燕尾服だ。
隣に並ぶ姉は、薄い桜色のドレスにプラチナブロンドの髪を垂らし、侯爵令嬢としてふさわしいほほ笑みを湛えている。
もうね、美しい、それしか言えない。本当にこの人は美しい。聖女だ。
周りの男どもはポーっとして、お姉様に釘付けで、私は体のいい黒子なんである。
そんな男どもから、お姉様を守る重大な役割も父と兄(過保護)から仰せつかっていたりするのだ。