【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 子リスのような瞳でおねだりされて、私は視線を泳がした。普通のことなら協力してあげたい。でも、この変態と友達とか、情操教育上よくない、絶対。

「それはいけません。マレーネ姫」
「はぁぁぁぁぁ! お叱りになるお姉さまメイドぉぉぉぉ」
「変態、黙れ!!」
 
 思わず怒鳴ってしまう。

「うう、地雷だけど、地雷だけど、マレーネたんのお願いを断れるかいや無理でしょ……でも、ボク、マレーネたんとお話とかハードル高すぎる」
「では、交換日記では?」

 マレーネ姫が食い下がる。

「こ、交換日記……」

 そう呟いてザントは真っ赤な顔をして倒れた。キャパオーバーだったらしい。マレーネ姫はなかなかの殺傷能力の持ち主だった。つおい。




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