【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
ただし、ここは夜会。
人脈を培う場所でありながら、ある意味、恋愛相手を探す席なんである。
その席に、男装で出席とかさぁー、まぁいいけど、好きな人いるわけじゃなし、今の状態で恋愛とか絶対無理だし。
たくさん並んでいるスイーツだって、食べたいけれど男装だと取りに行きにくい。自由に振る舞うきらびやかなドレスを見て、羨ましいと思う。
毎回感じる『私関係ないじゃん早く帰りたいわぁ』感は仕方ないでしょ? 仕方ないよね?
そんなことを思いながら、燕尾服で壁際に立つ。もう一度言う。あまり目立ちたくないのだ。