【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

「なんか、ヤダな」

 それを見てフェルゼンが笑った。

「お兄ちゃん、嫉妬かよ?」
「違うよ!」
「シュテルも女装すれば? お姉さまって呼んでもらえるかもよ?」

 私が茶化す。

「ベルンまで! 僕はシスコンじゃないからな!」
「はいはい。わかったから早く食べよう」

 そう言えばシュテルは渋々とパンを口に運んだ。

「僕の方がベルンを好きなのに」

 堂々と告げられる言葉にドキリと胸が鳴った。
 あの告白の後から、シュテルはどこでもかまわず私を好きだと公言するようになった。周りのみんなはそれを見て、いつものことだと笑っている。
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