【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「流石だ。ベルン!」
シュテルが飛び付いてくる。
フェルゼンが珍しく静かにしている。
「落ちなくて良かった……」
そう呟けば、シュテルは笑った。
「全くだ。橋なんか架けたくないからね」
ニヤリと笑うから、私もつられて笑った。そんな恥は二度とかきたくない。
初めて入る離宮はとても美しかった。磨きこまれた床は鏡のように光を反射する。
金銀の装飾やシャンデリアは言うまでもなく輝いて、王家の栄華を約束するかのようだ。
私たちは各々一部屋ずつ割り当てられた。
これなら安心してゆっくりできる。
部屋の中から見る湖もとても綺麗だった。