【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 お店を覗いてみれば、星の祭りに合わせた趣向のデザインのものがたくさんあった。
 レースにたくさんの星が編み込まれたリボン。星形の銀の髪飾り。凝った手鏡。ビーズで天の川を表したものもある。キラキラしていてとても綺麗だ。

「星の趣向がこんなに集まるの見たことがない」

 ウキウキと声をあげれば、店主が嬉しそうに微笑んだ。

「そういえば、マレーネも買ってたな」

 シュテルが懐かしそうに目を細めた。
 フェルゼンはご令嬢方にだろうか、何か見繕っているようだ。
 私も自分とお姉様用にお土産を選んだ。

 屋台で小さな瓶を買う。この祭りのメインは、離宮の湖の水を掬って帰ることだ。これを一年のお守りにするのだという。
 瓶は色々な種類があった。大きなものから、凝ったデザインのもの、透明なもの色のついたもの。しかしすべての瓶に小さな星型の金が入っているのは共通だ。
 私は星の彫られた透明の小びんを選んだ。
 瓶を買うと白い紙袋と蝋燭がついてくる。不思議に思ったがそのまま受け取った。

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