【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

「紫……ですか?」
「ええ! 紫は太陽の騎士様と宵闇の騎士様がお二人で幸せになられることをお祈りしている証ですの!」
「そ、そうですか」

 ちょっと言ってる意味が分からない。

「わたくしは、青色を用意いたしましたわ」

 お姉様が穏やかに微笑んだ。

「あら、リーリエ様は青ですのね?」
「ええ、わたくしはベルンの幸せが第一ですもの」

 そう微笑むお姉様から、アイスベルク家特有の氷の微笑を感じたのは気のせい、気のせいだよね?

「おや、美しいご令嬢方がこんなところに」

 声を見れば、噂の太陽の騎士様がにっこりと笑っている。

 だから、目立ちたくないのに!

 横を向いて、小さくため息をついた。
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