【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「!?」
「目眩ましの魔法だよ。目の色と髪の色が変わる。もうだれも君とは気がつかない。今から君はボクの作った土人形プッペだ。今夜の余興として紹介する」
鏡を手渡されて覗き込むと、中には茶色の髪と瞳の私がいた。ストレートの髪は、柔らかいウエーブに変わっていた。まるで別人だ。
「声を出すと魔法が解けるから気をつけてね。次の間にメイドがいるから、着替えさせてもらって」
そういって、グローブを渡された。魔方陣を隠すためだろう。
私はグローブをはめながら次の間へ行く。
次の間にはきらびやかなドレスと、ヤル気満々なメイドたちが待機していた。
言葉を発っせない私は、されるがままに飾りたてられる。
「完璧! です!! 土人形などとは言わせませんわっ!!」
鼻息の荒いメイドに戦きつつ、姿見をみれば確かに完璧なレディーがいて戸惑った。
自分ではないみたいだ。